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デザイナー個人事業主向け持続化補助金2026:何が対象?どう申請する?

グラフィックデザイナー・Webデザイナー・UIデザイナー等の個人事業主が小規模事業者持続化補助金を使う場合の対象経費と、事業計画書の書き方のコツ。受託業務と自社ブランド事業の切り分けを具体例で解説。

公開: 2026-03-14 最終確認日: 2026-04-21

結論: 自社ブランド・新規サービス開発の経費は対象、受託業務の効率化は対象外

デザイナー個人事業主が持続化補助金を使う場合、「受託案件の効率化」ではなく「自社ブランド・新規サービスの立ち上げ」に絞るのが通すコツです。

この記事では、グラフィック・Web・UI・イラスト等のデザイナーが持続化補助金を申請する際の対象経費と事業計画書の書き方を整理します。

対象要件(デザイナーの場合)

対象者

  • 常時使用する従業員 5人以下(商業・サービス業に該当)
  • 法人・個人事業主の両方が対象
  • 開業届がある個人事業主
  • 商工会商工会議所の管轄地域内に事業所

デザイナー個人事業主のほとんどが対象要件を満たします。

目的要件

持続化補助金は「販路開拓」と「業務効率化」が目的。特に販路開拓が重視されます。デザイナーにとっての販路開拓とは以下のような取り組み:

  • 新規顧客層(業界・地域・セグメント)への拡大
  • 新規サービス(例: 動画制作、3D、ブランディング一貫支援)の立ち上げ
  • 自社ブランド商品・グッズの販売
  • 地域外・海外への販路拡大

デザイナー向けの対象になりやすい経費

カテゴリ1: 自社サイト・ポートフォリオ強化

経費対象になりやすさ
新ポートフォリオサイト制作(外注)
自社ブランドの販売サイト新設
多言語対応(海外販路開拓)
既存サイトの軽微な更新×

カテゴリ2: 新規サービス立ち上げ

経費対象になりやすさ
新サービスのLP制作
新サービス用の撮影機材(一時費用)
新ジャンル用の特化ソフトウェア(1年分)
新サービスの告知広告費

カテゴリ3: 販促・広告

経費対象になりやすさ
Google広告・Meta広告
業界誌への広告出稿
展示会・イベント出展費
パンフレット・チラシ制作(販路開拓目的)
名刺制作×

カテゴリ4: 自社ブランド商品開発

経費対象になりやすさ
商品サンプル制作費
写真撮影(商品ビジュアル)
ECサイト構築費
パッケージデザイン外注

デザイナー向けの対象になりにくい経費

NG1: 受託業務の効率化

  • 開発PC・モニター・iPad等
  • Adobe Creative Cloud サブスク
  • Figma・Sketch等の汎用デザインツール
  • 受注管理・請求書ソフト

理由: 「販路開拓」でなく「受託業務の遂行道具」のため。

NG2: 家庭兼用が疑われる経費

  • 汎用ノートPC
  • 自宅の家賃(按分でも原則対象外)
  • 家庭用インターネット回線

NG3: 既存事業の維持費

  • 既存サーバーのランニング費
  • ドメイン更新費
  • 税理士顧問料

申請成功イメージ(架空事例)

事例A: グラフィックデザイナー → 自社雑貨ブランド立ち上げ

現状: 地元企業のロゴ・印刷物デザイン受託(年商600万円) 計画: オリジナル雑貨ブランド ○○Craft を立ち上げ、ECで全国販売

補助対象経費:

  • ブランドECサイト構築(外注)
  • 商品サンプル撮影費(初期分)
  • Instagram広告費(初期3ヶ月)
  • ロゴ・パッケージデザイン外注(自分のブランド用だが、セルフは対象外なので外部デザイナーに委託)

販路開拓の説明:

  • 既存事業(BtoB受託)→ 新規事業(BtoC自社商品)への拡大
  • 地元中心 → 全国への販路拡大
  • 「月商+○○万円、新規顧客月○○人」の定量目標

事例B: Webデザイナー → UI/UX特化のサービス新設

現状: 受託Webサイト制作中心(年商800万円) 計画: SaaS企業向けのUI/UXコンサルティング+デザイン提供を新サービスとして開始

補助対象経費:

  • 新サービス専用LP制作(外注)
  • ケーススタディ動画制作費
  • LinkedIn広告費(BtoB向けリーチ)
  • 業界イベント出展費

販路開拓の説明:

  • 既存顧客層(中小企業)→ 新規顧客層(SaaS企業・スタートアップ)
  • 既存サービス単価(50万円/案件)→ 新サービス単価(200-500万円/案件)
  • LTVの大幅向上

事例C: イラストレーター → キャラクターグッズ事業

現状: 書籍挿絵・広告イラスト受託(年商500万円) 計画: オリジナルキャラクターのグッズ(文房具・雑貨)をEC販売

補助対象経費:

  • 自社ECサイト構築
  • グッズサンプル制作費
  • 商品撮影費
  • Pinterest・Instagram広告

販路開拓の説明:

  • 著作権収入(受託)→ 物販収入(自社商品)
  • BtoB中心 → BtoC拡大

事業計画書の書き方のコツ

1. 販路開拓を数値で書く

❌ 「新しい顧客層に届くようにしたい」 ✅ 「現在の受託業務(月5件)に加え、自社ブランドECで月30件の売上獲得を目指す」

2. 既存事業との違いを明確に

❌ 「既存サイトをリニューアルしてサービスを広げる」 ✅ 「既存事業(BtoBロゴデザイン)とは別に、BtoC向けオリジナル雑貨ブランドを新設し、独立した販路とする」

3. 補助対象経費の必要性を説明

❌ 「ECサイトが必要だから作る」 ✅ 「自社ブランド商品の販売にはECが不可欠であり、既存のBtoB向けポートフォリオサイトとは別構築が必要。理由は決済機能・商品管理機能・購入者動線が異なるため」

4. 専門家の関与を書く

事業計画書に「商工会商工会議所の経営指導員と○月○日に相談」「中小企業診断士の○○氏にレビューを受けた」のように書くと加点されやすい(加点要素は公募回による)。

申請前チェックリスト

  • 従業員5人以下(あなた1人含む)
  • 商工会商工会議所の管轄地域内か
  • 補助対象経費は「販路開拓」か「業務効率化」に切り分けできているか
  • 受託業務の効率化ツール(PC・汎用ソフト)を含めていないか
  • 複数社見積(原則2-3社)を取得したか
  • 交付決定前に発注・契約していないか
  • GビズIDを取得済み or 取得中か
  • 商工会商工会議所への相談予約を締切2-3週間前に入れたか
  • 事業計画書で販路開拓の効果を定量的に書いているか

まとめ

  • デザイナー個人事業主は持続化補助金の典型的な対象者
  • 自社ブランド・新規サービスの立ち上げに使うのが通しやすい
  • 受託業務の効率化ツールは対象外
  • 販路開拓の数値目標を明確に書く
  • 商工会商工会議所への事前相談が必須(様式4発行)
  • 交付決定前の発注・契約は厳禁

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出典・参考資料