EC・小売業が創業型持続化補助金2026を使うには?対象経費・落とし穴・申請の流れ
EC・小売業・フリーランス向けに、創業型持続化補助金の対象経費と落ちやすいケースをまとめ。申請の流れ・次の2週間のアクション・関連記事を併記。
この記事の結論
会社員からの独立1年以内、または異業種からの転身で EC・ネットショップ・D2C を始める創業者が、創業型持続化補助金を販路開拓に使う場合の対象経費・落とし穴・スケジュールをまとめます。EC業は「仕入・販売予定在庫の購入費は対象外」「ECプラットフォーム月額の **既存契約継続・補助期間外分は対象外**」「**試作品の原材料は新商品開発費に入り得るが、量産・販売在庫は対象外**」という独特の線引きが存在します。
創業型持続化補助金の基本
開業1年以内の小規模事業者向けの持続化補助金の特別枠。申請時点で開業済み(個人)または設立済み(法人)が原則で、補助事業終了までに事業活動を開始する計画であれば事業活動未開始の申請も可能性がある。補助上限・補助率が通常枠より手厚く、創業期の販路開拓・設備投資を支援する。
- ・補助上限: 最大200万円
- ・補助率: 2/3
- ・公募回数: 年2〜3回程度の公募
- ・ 小規模事業者持続化補助金(創業型・公式)
EC・小売業でよくある投資項目
- 自社EC(Shopify・BASE 等)の **初期構築外注費**(ウェブサイト関連費・補助金交付申請額の1/4上限・単独申請不可)
- 補助事業期間内の **新規販路開拓に紐づくサイト更新作業・商品登録作業・ECモールシステム利用料**(ウェブサイト関連費の範囲、公募要領上の対象例。**通常の受注処理・在庫管理・顧客対応・保守・既存契約の単なる継続・補助期間外分は対象外**)
- 商品撮影・モデル撮影・スタイリングの外注費(販路開拓に直結する素材制作)
- 商品パッケージ・ラベル・台紙のデザイン外注費(販路開拓の因果関係を事業計画書で説明)
- **新商品の試作品制作費・試作開発用に限定した必要最小限の原材料費**(新商品開発費。**使い切り・受払簿管理が必要**。量産・販売在庫は別経費として対象外)
- 第三者主催の物産展・展示即売会・ポップアップへの出展費(展示会等出展費。商談導線・新規顧客リスト獲得を計画書で明記)
- 販促チラシ・販促POP・試食/試用サンプルの制作費(**販売用商品と同一物を配布する場合は対象外**。販売用商品と明確に異なるサンプル品を展示会等で配布する設計が無難)
- リスティング・SNS広告・モール内Web広告(ウェブサイト関連費。**売上・販売数量・契約数連動の成功報酬型課金は対象外**)
対象になりやすいケース
- ✓ **特定創業支援等事業による支援を受け、支援日・開業日/設立日が創業型第3回の対象期間内(概ね 2025-04-30〜2026-04-30)**(創業型第3回の必須要件)
- ✓ 「会社員→独立1年以内」で、自社EC構築・商品撮影・販促物制作を組み合わせた新規販路開拓
- ✓ 開業届を提出した個人事業主で、商工会・商工会議所の管轄地域内に事業所を構えている
- ✓ 実店舗・卸中心の商売からEC・D2C への販路拡大(既存事業の延長ではなく **新規販路開拓** として整理)
- ✓ 特定の物産展・業界展示会への出展でリピート顧客リスト獲得を狙う計画
落ちやすい・対象外になりやすいケース
- ✗ **仕入商品の購入費・販売予定の在庫の購入費**(通常仕入・販売目的生産は補助対象外)
- ✗ Shopify・BASE・STORES 等のECプラットフォームの **既存契約の継続分・補助期間外分・証憑が弱い自動課金分**(補助期間内の新規導入分・追加機能分は条件付きでウェブサイト関連費の範囲)
- ✗ 汎用PC・汎用スマホ・汎用倉庫機材・汎用棚・汎用梱包資材(事務所等で汎用的に使用できる機器・消耗品は対象外)
- ✗ **販売用商品の量産品製造費・OEM委託量産費・販売予定品の原料費**(試作開発用は新商品開発費に入り得るが、量産・販売在庫は対象外)
- ✗ **売上・販売数量・契約数に連動する成功報酬型の広告課金**(新規/既存を問わず対象外。補助期間内であっても従量課金部分は除外)
- ✗ 既存顧客向けの定期便・リピート販促費(新規顧客開拓ではない)
- ✗ 受託案件のクライアント商品の開発・販促費(他社の販路開拓につながる経費)
- ✗ 交付決定前に契約・発注・支払いを行った構築費・撮影費(最多の失敗パターン。プラットフォーム自動課金初月含め要注意)
- ✗ ウェブサイト関連費のみでの申請(単独申請不可、他経費区分との組み合わせ必須)
申請の流れ
- 1 特定創業支援等事業の受講・証明書取得(市区町村が産業競争力強化法に基づき認定した講座等。創業型第3回の必須要件)
- 2 開業日の確定(個人は開業届の「開業・廃業等日」、法人は登記事項証明書の「会社成立の年月日」が創業型第3回の対象期間(概ね 2025-04-30〜2026-04-30)内であること。freee開業・MF開業・やよいの開業届で無料作成可)
- 3 GビズIDプライムを取得(オンライン申請なら最短即日、書類申請の場合は1週間程度の公式目安)
- 4 事業計画書を作成(仕入・在庫を **明確に対象外として除外** し、ECサイト構築・撮影・販促物・展示会出展で販路開拓導線を構成。申請前に概算・内訳根拠を固める)
- 5 商工会・商工会議所で事業計画の相談・様式4(事業支援計画書)発行依頼(**第3回の様式4発行受付は2026-04-16で締切済み**のため、本記事は次回公募分の準備として参照ください。次回公募では発行受付締切の2〜3週間前までに予約)
- 6 電子申請システムで電子申請。**採択後、交付決定までに価格妥当性を示す見積書等を提出**、交付決定後に契約・発注・支払い
開業準備を整える
創業型を狙うなら、開業届の提出は起点です。以下のサービスなら無料で開業届を作成・提出できます。
freee 開業
開業届・青色申告承認申請書をオンラインで作成(無料)。
マネーフォワード クラウド開業届
開業届・青色申告承認申請書をオンライン提出。
やよいの開業届 オンライン
開業届を無料で作成・提出。
よくある質問
商品の仕入れ費や在庫の購入費は補助対象になりますか?
対象外です。**仕入商品・販売予定の在庫の購入費は公募要領上、補助対象外** として明確に整理されています。EC事業者が陥りやすい誤解で、商工会・商工会議所への事前相談でも最初に確認される論点です。EC関連で対象になり得るのは、サイトの初期構築外注費・商品撮影費・販促物制作費・展示会出展費等の「販路開拓のための投資」に限られます。
Shopify や BASE の月額利用料は対象になりますか?
**既存契約の継続分・補助期間外分・自動課金で証憑が弱いもの**は対象外です。一方、補助事業期間内に新規で開設する場合や、補助事業のために追加するプラン・機能の差額分は、ECサイト運用費・ECモールシステム利用料としてウェブサイト関連費の範囲(1/4上限・単独不可)で対象になり得ます。**初期構築の外注費**(テーマカスタマイズ・決済設定・初期データ投入等)も同じくウェブサイト関連費の範囲です。月額・初期構築・追加機能の請求を分けて見積を取るのが実務的です。
自社開発の食品・雑貨を販売したい。新商品の開発費・原材料費は対象ですか?
**新商品の試作品制作費・試作開発に必要な最小限の原材料費** は新商品開発費の経費区分で対象になり得ます。一方、**販売予定の量産品の製造費・OEM委託量産費・販売在庫の原料費は対象外** です(「通常仕入・販売目的生産」は対象外として整理)。「試作いくつまでで何をテストし、量産にどう移行するか」を事業計画書で具体化し、量産フェーズの費用は別予算で対応してください。境界線は商工会・商工会議所への事前相談で必ず確認してください。
物産展や即売会への出展費は対象になりますか?
**第三者主催の物産展・展示即売会への出展費**は「展示会等出展費」として対象になり得ます(出展料・ブース装飾の外注費・什器レンタル等)。**自社開催のポップアップの会場費は「借料」** として整理される場合があります。いずれも商談導線・新規顧客リスト獲得の仕組みを事業計画書で明確化することが必要です。
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関連記事
出典
- 創業型持続化補助金 公式サイト (確認日: 2026-04-13)
- 創業型 第3回 公募要領(第7版) (確認日: 2026-04-13)
- 創業型 第3回 FAQ (確認日: 2026-04-13)
- 創業型 第3回 参考資料 (確認日: 2026-04-13)
本記事は一般的な制度解説であり、採択を保証するものではありません。最終判断は最新の公式公募要領および認定経営革新等支援機関・中小企業診断士・行政書士等にご相談ください。